
文部科学省補助事業「教材等研究・開発等」
中国における高等教育機関への進学事情に関する調査
—「普通高等学校招生全国統一考試」を中心に —
中国の全国統一入学試験(全国普通高等学校招生統一考試)の成績を日本語学校の入学選 抜に活用するための基礎資料を作成する。
真に学習意欲と能力を有する者を選抜する方法の確立は、就学生・留学生をめぐる近年の社会的・政治的要請から見ても、焦眉の課題となっており、とりわけ、中国からの日本留学志願者に対して顕著である。このような状況に対応するためには、学習能力を判定する客観的な入学選抜資料としてどのようなものがありえるかを調査し、選抜段階での実務レベルでの利用を可能にすることが急務であるとの問題意識のもと、本調査研究では、中国で実施されている「普通高等学校招生全国統一考試」(以下、「高考」と示す)の活用にその可能性があると考え、「高考」を中心とした中国における進学事情を調査し、入学選抜のための基礎資料を作成した。
本研究が目的とした「高考」の実施概要及び実施状況等の基礎資料の作成についてはある程度十分な情報を収集でき、データをまとめることができた。今後は、毎年、行われる試験に関わるデータを蓄積してゆき、入学選抜に活用していきたい。 「高考」の成績が一つの選抜指標となりえることに論は待たない。今後は、「高考」の成績が、入学後の学習意欲や学習能力をどの程度裏打ちしているか、認証をもとに選抜した学生の学習状況、成績等との相関を追っていき、選抜ツールとしての「高考」の位置づけを明確にしていきたい。 本研究の最中に調印され、運用が始まった「高考」成績認証システムについては、先述した通り、利用における日本語学校サイドの対応課題も多い。しかし、日本語学校が認証システムを事前審査における立証の柱の一つとしていくことは、受身の審査から大きな一歩を踏み出し、次善の策を提案することでもある。認証システムの活用の成熟は、日本語学校の選抜の成熟であり、入国管理局との入国審査に関わるあらたな関係への一歩となる。認証システムの成長は、われわれ日本語学校にとって非常に大きな意味を持つ。このことを十二分に自覚し、今後、認証システム活用の成熟に努力にしていきたい。